CoRoNano

Continuation of RO(reverse osmosis operation) at the nano-level

子どものワクチン接種を薦めている専門医の提示した論文の信頼性を検証。どうやらこの論文はあまり信頼性がなさそうです…。

今日は、子どものワクチン接種を薦めている専門医の方が、どのようなことをおっしゃっているのか検証してみたいと思います。

issue.yahoo.co.jp

(以下、上記記事の一部を引用。)

疑問1:子どもは感染しても軽症で済むと聞いているが、ワクチンの接種は必要?
■世界で感染が続く限りリスクは続く ──紙谷
■子どもが無防備な状況が避けられればより安心 ──岡田


紙谷聡
子どもは「みんな軽症で済む」のでなく、「大人と比べて軽症で済むことが多い」が正しい理解です。言い換えると、まれではありますが子どもでも重症になることがあります。事実、厚生労働省に20歳未満の死亡11例(基礎疾患のない例も含む。2022年3月29日現在)が報告されていますし、新型コロナの自然感染による心筋炎も日本小児科学会より報告されています。
重症化以外にも、自然感染後の新型コロナ後遺症(倦怠感などの長期症状)や全身に炎症を引き起こす多系統炎症性症候群などが子どもにおいても問題になっています。こうした万が一の事態から子どもたちから防ぐためにmRNAワクチンは有効です。
また、ワクチンによってコロナ後遺症を防げる可能性も大人での研究(※1)で示唆されています 。5~11歳における最新の研究(※2)では、ワクチンの効果が減弱するオミクロンに対しても約70%の入院予防効果が示されています。この効果は、インフルエンザワクチンの入院予防効果が約40~50%であることを考えると依然として高い効果を維持しているといえます。
今後、世界で感染が続く限り日本での感染リスクは続くため、自然感染するかワクチンを打つかでしか免疫を獲得できないことを考慮すると、ワクチンを接種して大人だけでなく子どもたちも守ることは大いに意義があると考えています。
(※1)英国保健安全保障庁(PDF 英語 外部サイト) (※2)The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE(英語 外部サイト)

 

上記の内容のうち、「また、ワクチンによってコロナ後遺症を防げる可能性も大人での研究(※1)で示唆されています 。」について検証してみたいと思います。

 

ここで参照されているのは次の論文です。

※1)英国保健安全保障庁(PDF 英語 外部サイト) 

(以下、上記論文よりDeepLで翻訳後一部引用)

長期コヴィドに対するワクチン接種の有効性
迅速なエビデンスの概要報告

 

主要なメッセージ


- 長期コヴィドに対するワクチン接種の効果について報告した15件の研究を確認した(2022年1月12日までの検索):感染前のワクチン接種が長期コヴィドの症状や発症を減らすかどうかを調べた研究が7件、長期コヴィド発症者のワクチン接種が長期コヴィドの症状を軽減または消失するかどうかを調べた研究が7件、両方を調べた研究が1件であった。

- COVID-19感染前のワクチン接種の有効性を評価した8試験のうち6試験は,短期(感染後4週間),中期(感染後12~20週間),長期(感染後6カ月)において,接種例(1または2回接種)は感染後の長期コビドの症状を発症しにくいことが示唆された8つの試験ともCOVID-19に罹患した参加者のみを対象としているため、ワクチン接種によるCOVID-19の発症抑制効果は考慮されていません。つまり、これらの研究は、長期コヴィドを予防するワクチンの効果について、母集団全体の推定値を与えるものではなく、むしろ過小評価するものである。

- 個々の長期コヴィドの症状を測定した2つの研究から、完全接種例は未接種例に比べ、中長期的に次の症状が出にくかった:疲労、頭痛、手足の脱力、持続的な筋肉痛、脱毛、めまい、息切れ、無感覚、間質性肺疾患、筋肉痛、その他疼痛。

- 長期コヴィド患者を対象にワクチン接種の効果を検討した研究では、ワクチン接種前後の長期コヴィドの症状を比較した4件の研究のうち3件でワクチン接種後、すぐにまたは数週間にわたって症状が改善したと報告した症例が多かったとされています。しかし、すべての試験で、ワクチン接種後に症状の悪化を報告した症例もありました。

- 初感染時にワクチン未接種の長期コヴィド患者を対象とした3つの研究では、その後ワクチン接種を受けた人と未接種のままの人を比較しました。これらの研究はすべて、長期コヴィドを持つ人は、その後ワクチンを接種しなかった長期コヴィドを持つ人よりも、ワクチン接種後すぐに、そして長期にわたって長期コヴィド症状を訴える可能性が低いことを示唆した。1件の研究では、COVID-19診断後のワクチン接種のタイミングについて検討し、診断後すぐに接種した症例は、未接種のままだった症例に比べて、長期コヴィドの症状を訴える可能性が非常に低いことが示唆された。

- 長期コヴィド患者へのワクチン接種後の症状の変化について報告した5件の研究のうち3件では、症状が改善または悪化した人よりも、ワクチン接種後に症状が変わらなかったと報告した人の割合が高かった(最大70%)。

- すべての研究が観察研究であったため、結果はワクチン接種以外の違いによるものかもしれず、また、長期コヴィドの定義には研究間で大きな異質性があった。

 

 

まず、そもそも論文の原文の中で使われている”suggested(示唆された)”の意味は、可能性が低い場合に使われる言葉で、”主となる結論に対して使うには適さない(以下のサイトより引用)”そうです。

(以下、論文の原文より一部引用)

Six of the 8 studies assessing the effectiveness of vaccination before COVID-19 infection suggested that vaccinated cases (1 or 2 doses) were less likely to develop symptoms of long COVID following infection, in the short term (4 weeks after infection), medium term (12 to 20 weeks after infection) and long term (6 months after infection).

 出典:https://ukhsa.koha-ptfs.co.uk/cgi-bin/koha/opac-retrieve-file.pl?id=fe4f10cd3cd509fe045ad4f72ae0dfff

 

tap-biz.jp

(以下、上記記事より一部引用)

「示唆」の読み方と意味

「示唆」とは「しさ」「じさ」と読みます。「示唆」の意味は、その人が気づかなかったことについて、それとなくヒントを与えること。また、直接は関係のない話から手掛かりを与えるという意味があります。

「示」という漢字について

「示」という漢字は、音読みで「し」「じ」、訓読みで「示す」「しめす」と読みます。(中略)

「唆」という漢字について

「唆」という漢字は、音読みで「さ」、訓読みで「唆す」「そそのかす」と読みます。画数は10画で常用漢字です。「唆」という漢字は、そそのかす、けしかけてなにかをさせる、という意味があります。

「唆」という字のなりたちは、口を使ってそそのかすことを表しているといわれています。

 

(中略)

 

論文での使い方

論文では「示唆される」という言葉が使われる場合があります。論文では「考えられる」という言葉は曖昧な表現のため、使うのは好ましくないと考えられています。また、「見られる」という言葉も、具体的ではなく含みのある表現のため、好ましくないと考えられます。

論文で「示唆される」という言葉は、小さな可能性を示していたり、確率はそれほど高くないことを示していたりする場合に使われます。しかし、可能性が小さいことや確率が低いことから、主となる結論に対して使うには適さないでしょう。

 

この点から見ても、ここで参照されている論文が信頼性の低いものだということが分かります。

 

(以下、論文をDeepLで翻訳後一部引用)

- COVID-19感染前のワクチン接種の有効性を評価した8試験のうち6試験は,短期(感染後4週間),中期(感染後12~20週間),長期(感染後6カ月)において,接種例(1または2回接種)は感染後の長期コビドの症状を発症しにくいことが示唆された.8つの試験ともCOVID-19に罹患した参加者のみを対象としているため、ワクチン接種によるCOVID-19の発症抑制効果は考慮されていません。つまり、これらの研究は、長期コヴィドを予防するワクチンの効果について、母集団全体の推定値を与えるものではなく、むしろ過小評価するものである。

出典:https://ukhsa.koha-ptfs.co.uk/cgi-bin/koha/opac-retrieve-file.pl?id=fe4f10cd3cd509fe045ad4f72ae0dfff

この内容に疑問を感じるのですが、結局、感染前にワクチンを接種した人のうち罹患した、つまり、発症した参加者のみを対象にしているとのことです。

つまり、感染前にワクチンを接種したにもかかわらず、罹患しているのです。ワクチン接種の有効性を評価するなら、感染前にワクチンを接種した人のうち、どれだけが感染し、どれだけが感染しなかったかを調べるべきなのに、感染者が重症化したかどうかだけを調べています。発症抑制効果を調べたわけではないことは、「ワクチン接種によるCOVID-19の発症抑制効果は考慮されていません。」と、論文にも書かれています。

 

(以下、論文をDeepLで翻訳後一部引用)

- 長期コヴィド患者へのワクチン接種後の症状の変化について報告した5件の研究のうち3件では、症状が改善または悪化した人よりも、ワクチン接種後に症状が変わらなかったと報告した人の割合が高かった(最大70%)。

出典:https://ukhsa.koha-ptfs.co.uk/cgi-bin/koha/opac-retrieve-file.pl?id=fe4f10cd3cd509fe045ad4f72ae0dfff

長期コロナ患者へのワクチン接種後の症状の変化は、最大70%が接種しても症状が変わらなかったそうです。変わらなかった場合、それは効果がないのでは?まさか、接種しなかったらもっと悪化したのに、それに歯止めをかけたということなのでしょうか…。だったら、改善した人や、改善までいかずともわずかな悪化で止まっている人など、色々ありそうですが、70%も症状が変わらなかったというのは、不自然だと思います。要するに、何の効果もないか、この報告内容や研究自体に問題があるのかもしれません。

 

そして、最後のまとめの文章が次の内容になっています。

(以下、論文をDeepLで翻訳後一部引用)

- すべての研究が観察研究であったため、結果はワクチン接種以外の違いによるものかもしれず、また、長期コヴィドの定義には研究間で大きな異質性があった。

出典:https://ukhsa.koha-ptfs.co.uk/cgi-bin/koha/opac-retrieve-file.pl?id=fe4f10cd3cd509fe045ad4f72ae0dfff

結果はワクチン接種以外の違いによるものかもしれず、また、長期コヴィドの定義には研究間で大きな異質性があった。」と書かれているところを見ると、そもそもこの論文には、信頼性はなさそうです。

 

こんな曖昧な論文を見せられても、納得できません。もっと信頼性のある論文を見せてくれる先生の意見を聞いた方が良さそうですよ。

命に関わることなので、情報の信頼性については慎重に判断したいですね。

 

 

 

<信頼性のあるお薦めサイト>

tohokuishi.localinfo.jp